【Zoom取材経験有】オンライン取材のメリット・デメリット、使用ツール紹介(Zoom,Whereby)

時勢もあり、オンライン取材が広まるといいなと思っています。

ですが、「おすすめのツール○選」みたいな、ツールそのものについての解説記事はたくさんありますが、実際に経験したことある人のケーススタディがないことには広まらないのでは? と思ったので、Zoomでオンライン取材をする企業で半年間お仕事をしていたライターの私が、その時の経験を元に、「こんなメリット・デメリットがある」「どうすればデメリットをカバーできるのか」などをざっくり書いてみます。

あくまで私見、個人的感想ではありますが、オンライン取材を検討している方のお役に立てばいいな、と。

半年間オンライン取材をしてみての、ざっくり感想

Zoomでオンライン取材を行う企業で、半年間ほどオンライン取材対応を行っていました。
オンライン取材の感想を一言で言うと、「わりと問題なく取材できる。でも不便な部分もあるな」です。

直接お会いしてお話を聞く形のほうがインタビューは進めやすいと感じているので、「基本は対面がいい」というのが個人的な意見です。
ただ、現在のように外出自粛の流れがあるだとか、遠方の方への取材だとか、諸々の事情で直接会うことが難しい場合には、オンライン取材は全然アリだな、と。

使用ツール、半年間のオンライン取材を経て感じたメリット・デメリットなどを書いていきます。

オンライン取材に使えるツール

Zoom|アプリが必要・主催者のみアカウント登録必要

オンライン取材で私が使用していたのは「Zoom」です。

Zoomは、最初にアプリのインストールが必要です。

自分が主催者(会議を作成してURLを発行する)になる場合は、アカウント登録が必要ですが、招待される側の場合は、アカウントがなくても、アプリをインストールしてあるデバイスからURLにアクセスするだけで会議に参加できます。

アカウントは無料・有料があります。違いは色々ありますが、大きいところで言うと、接続可能時間が違います。1対1なら時間制限はありませんが、複数人でつなぐ場合は、1セッション40分。
インタビューの場合は40分以上かかるケースが多いので、有料プランを契約するか、無料プランなら40分経つ前に一回切ってまた接続し直す……といった対応が必要になります。

最近はリモートに移行している企業も多いですが、数あるツールの中でもZoomが一番人気っぽいですね。人気の理由は高画質高音質で接続が安定しているから……と何かの記事で読みましたが、他のツールと比較したことがないのでこの点は何とも。

実際に使った感想としては、相手の声が聞こえにくかったり、映像がたまにカクカクしたりすることはあったものの、1時間の取材中に接続が切れてしまうようなことはありませんでした。

あとは、「バーチャル背景」という機能があるのも特徴(無料プランで利用可)。選んだ画像が背景になる機能です(人がいる部分がくり抜かれる感じで表示される)。私は使ったことはありませんが、自宅を見せたくない、という方には便利かも。

Whereby(旧:Appear.in)|アプリは不要・主催者のみアカウント登録必要

取材とは別に、オンラインでの打ち合わせで以前よく使っていた「Appear.in(アピアーイン)」がお気に入りなので紹介を……と思ったら、いつの間にかサービス名が変わっていて、「Whereby(ウェアバイ)」という名前になっていました。

こちらのサービスのいいところは、アプリのインストールが不要なところ。ブラウザから招待URLにアクセスすればOKです。
Zoomだとインストールが必要なので、たまに取材相手がアプリをインストールしていなくてスタート時間が押す……ということがありました。

主催者になる場合は、アカウント登録が必要です。
以前は主催者でも登録不要で、そこがとても手軽でいいなと思っていんたんですが、サービス名が変わったタイミングでそこも変わってしまったんでしょうか……少し残念。

こちらのツールは、短時間の打ち合わせで度々使用していました。相手の声が聞こえにい・映像がたまにカクカク、といったZoomでも感じたような使いにくさはやはりあったものの、問題なく使えたな、という印象。

まぁ映像や音声に関しては、通信環境やマイク性能による部分もあるので、どのツールを使っても不便な部分は多少あるのだろうな、と思います。

オンライン取材のメリット

何と言っても、「移動の必要がなく自宅で対応可能」というのが一番のメリットです。

遠方の方への取材も、オンラインであれば対面で可能。電話やメールで取材する手もありますが、画面越しでも相手の顔を見て会話できたほうがコミュニケーションは取りやすいと思います。

移動時間の削減にもなりますし、上半身しかカメラに映らないから下はパジャマのズボンでいい。
人によっては、対面だと緊張してしまうけど、自宅だからリラックスした雰囲気でインタビューに望める……なんてこともあるかもしれません。

また、足が悪いなど外出が難しい事情を抱えた方でも自宅でインタビューの仕事を受けられるので、そういった活用の仕方もあるかと思います。

オンライン取材のデメリットとカバーする方法

相手の「非言語情報」が読み取りにくい

細かい表情の動きや声の調子といった、いわゆる「ノンバーバル(非言語)コミュニケーション」と言われる部分が、オンライン上だと読み取りにくいです。

たとえば「沈黙」にも色々な種類がありますよね。「質問を理解していない」「答えが思い付かず詰まっている」「言いたいことは頭に浮かんでいるが言葉を探している」「話し終わって相手の返答を待っている」など。相手がどのステータスかによって、自分の対応も変わってきます。

対面であれば、相手の目線や口元の動き、呼吸、声の調子など細かい部分で、相手がどういう状態なのかをある程度予想することはできますが、オンライン上だとそれが難しいんですよね。

「相手の細かい動きがわからないことで、コミュニケーションが取りにくくなるだろう」と事前に思ってはいたものの、予想以上の難しさでした。コミュニケーションにおいて、言語以外の部分からかなり多くの情報を得ていたんだな、と改めて実感。

あと、たまに画面OFF(顔が見えない設定)にされる方もいますが、相手の様子がサッパリわからんのでとてもやりにくいのです……。部屋を見せたくない、二日酔いで顔面の調子が悪いなど色々ご事情はあるかと思いますが、できれば画面ONでお願いしたいな、というのが正直なところ。

自分の「非言語情報」も伝わりにくい

相手の非言語情報が読み取りにくいと同時に、自分の非言語情報も伝わりにくいので、リアクションを普段より大きめにしたほうがいいです。(私は取材を淡々と進めるタイプなので、これがけっこう難しかった……)

対面であれば目を見てうなずくだけでも「話聞いてますよ!」と伝わりますが、オンラインだと「はい」「そうなんですね」など、声に出して言わないと、「あれ、ちゃんと音声聞こえてるかな……?」と相手に不安を与えてしまいます。

表情や声のトーン、あいづち、ジェスチャーなど、不自然にならない程度に大きめのリアクションを取るといいかと思います。

話を引き出すのが対面よりも難しい

よく取材を受ける、登壇の機会が多い、ブログで自分の考えを文章にしているなど、「自分の考えを言語化する」というのを普段からやっている方は比較的スムーズにインタビューが進むことが多いですが、そうでないケースも多々あります。というか、著名人でない場合、話慣れていない方がほとんどです。

その場合、同じ内容を違う表現に言い換えて聞いてみたり、答えやすい質問から始めて会話を重ねていく中で、相手の頭の中にあるものを一緒に言語化していったり……という感じで進めますが、対面よりもオンラインのほうが難しいと感じました。

前述の「相手の非言語情報が読み取りにくい」もひとつの要因かもしれませんが、初対面においては、直接会うのと画面越しに対面するのとでは、やはり直接会ったほうが打ち解けやすい気がします。(人見知りの方は特に)

こちら、対策はしにくいのですが、「相手の情報をギッチリ頭に入れておく」「可能であれば事前に質問に対する回答を(一行でさらっと、でいいので)もらっておく」あたりでしょうか。

相手のことを可能な限り調べ尽くすのは対面の取材でも同じですが、オンラインの場合は特に念入りに。一般の方でネットに情報がない場合も、経歴や現在の活動内容など、事前に聞ける場合は聞いておくとか。

相手のことを事前に調べたほうがいい理由は、「この人はこんな考えを持っているだろう」「この質問にはこういう回答がくるだろう」と、取材前に予測しておくことで、短時間でより深いコミュニケーションを取れるから。
相手のことを何も知らない状態で、初対面の方と会ってその場のコミュニケーションだけでいい話を引き出すのは難しいので(できる方もいるとは思いますが私はできない……)、対面・オンラインにかかわらず、事前に相手のパーソナリティをある程度把握しておくようにしています。

「事前に質問に対する回答をもらっておく」は、事前に回答を考えておいていただく&こちらが回答を把握しておくことで、スムーズに進められるのでは、と。ただ、インタビューされる側からしたら事前に回答するとかめんどくさいですよね……継続的にやり取りしていて要望が言いやすい相手とかじゃない限りは難しいかも。

複数人へのインタビューがむずい

座談会など、複数人へのインタビューの場合、会話の回しが難しいです。

まず始めに、複数人のインタビューについてはざっくり3パターンあります。

  1. インタビュイーが同じ部屋にいる・全員で1台のパソコンを使っている
  2. インタビュイーが同じ部屋にいる・1人1台のパソコンを使っている
  3. インタビュイーがバラバラの場所にいる・1人1台のパソコンを使っている

「1.インタビュイーが同じ部屋にいる・全員で1台のパソコンを使っている」
こちらのケースだと、回し云々の前に、「音声が聞こえにくい」「誰が喋っているのかわかりにくい」という問題点があるので、可能であれば、1人1台でお願いしたほうがいいかな、と。
でも、座談会などみんなでわいわい話す感じのものだと、1人1台にして画面をがっつり見つめてしまうと盛り上がらないんですよね……。この辺りは、判断が難しいところ。

「2.インタビュイーが同じ部屋にいる・1人1台のパソコンを使っている」
「3.インタビュイーがバラバラの場所にいる・1人1台のパソコンを使っている」

このケースだと、音声や発言者が誰かわからない……といった問題はありませんが、現場で同席している時以上に司会進行を手厚くする必要があります。

インタビュイーがバラバラの場所にいる場合は特にその傾向が強いかな、と。
みんなが同じ部屋にいるケースだと、全員が対象になる質問を投げかけたあと、お互い目配せしたりする中で自然と誰から喋るかが決まる……という流れも多いですが、バラバラの場所にいる場合はそうもいきません。

こちらから、「(質問をした後に)じゃあ、最初に△△さんから」「○○さんはどう思いますか?」など、喋る人を指名するほうがいいかなと思います。

オンライン取材のデメリットをカバーする方法まとめ

オンライン取材のデメリットと「こうした方がいいんじゃないか」を気に書いてしまいましたが、ここでまとめ。

相手の「非言語情報」が読み取りにくい
→細かい動きが見えないのはもう仕方ない、ひとまず画面はON(顔が見える状態)にしてもらう。

自分の「非言語情報」も伝わりにくい
→リアクション大きめにがんばる。

話を引き出すのが対面よりも難しい
→相手の情報をギッチリ調べておく。できれば質問に対する回答を事前にもらっておく。

複数人へのインタビューのがむずい
→1人1台パソコン使ってもらう。手厚く丁寧に司会進行。

オンライン取材時の録音はどうする?

ほとんどのライターは取材時には録音しているかと思いますが、オンライン取材の場合、「Zoom」なら無料アカウントでも録画・録音機能が使えます。(これ、知らなかった……Mac標準アプリの「Quick TIme Player」で録音してました)
「Whereby」は有料版じゃないと録画できないみたいです。

いずれにせよ、録音をする場合はぶっつけ本番じゃなくて事前に試すのをおすすめします。
ちなみにイヤホンをする場合はBluetoothじゃなく有線のほうがいいです。接続が切れる可能性があるので。
詳細は省きますが、イヤホンをした状態で音声を録音しようとあれこれ試したものの、マイク・音声の出力やら入力やらの設定が煩雑すぎて断念しました。(Zoom機能での録音の場合も、イヤホンして録音できるかどうかは不明)

【追記:2020.05.21】
Zoomで録音する場合、他の人がホスト(ミーティングのURLを発行する人)の場合は、その人の許可が必要になります。
ゲスト(自分)が録音ボタンを押し、レコーディング申請をホストに送る→ホスト側でレコーディング許可をする、という流れです。

Zoomで録音する場合は、取材の冒頭でホストにレコーディング許可をもらいましょう。

ただ、申請がうまくいかなかったりホスト側で操作方法がわからなかったりで、スムーズに進まないケースがけっこうあったので、私個人としては、静かな部屋でイヤホンをせず、相手の声がPCから流れている状態にして、ボイスレコーダーで録音する方法が一番シンプルでいいかなと思っています。

▼オンライン会議ツール『Whereby』を詳しく紹介