暮らしを彩る香りをまとう — Maison Francis Kurkdjian アクアユニヴェルサリス オードトワレ

以前、とある取材でフレグランスアドバイザーの方にお会いする機会があり、そのときに香水を見立ててもらった。

私は肌が弱く、香りが強いものにはかぶれてしまうことが多いため、化粧品やシャンプーなど身につけるものにはなるべく無香料のものを選んでいる。香水でかぶれたことはないけれど、アルコールが含まれているという不安もあって、香水をつける習慣はなかった。

とはいえ、「香り」自体が苦手なわけではなかったので、たまに気が向いて香水を買うこともあった。でも、普段買わないから選び方からしてよくわからない。なんとなく選んで買ってみるけど、なんとなく気に入らなくなって付けなくなり、香水の瓶は部屋の飾りと化す。その繰り返しだった。

フレグランスアドバイザーの方に、「普段はあまり香水を付けない」「シンプルな服を着ることが多い」「白が好き」そんな断片的な情報をぽろぽろと伝えて、紹介してもらったある香水。その場にはテスターしかなかったので購入することはできなかったのだけど、とても気に入ったので、「そのうち買おう」と思っていた。

すっかり忘れてはや1年以上。仕事があまりに忙しすぎて心がささくれ立ってしまい、「あぁもう限界だ」とパンク寸前だったある日のこと。

何でもいいから、とにかく癒されたい。普段は手に取らないようなものに触れて気分を変えたい。自分へのちょっとしたご褒美くらい、買ってもいいんじゃない?

そんな気持ちが入り混じったときにふと、「あの香水を買ってみようかな」と思った。

そして購入したのが、Maison Francis Kurkdjian(メゾン フランシス クルジャン)の、「アクアユニヴェルサリス オードトワレ」。

スクエア型のクリアなガラスのボトルには、香水の名前が書いてあるだけで、余計な装飾は一切ない。スプレーの管が見えないつくりになっていることで、ガラスの透明感がより際立っている。キャップには少し錆びたような、古びた加工がほどこされている。シンプルだけど洗練された、美しいデザイン。

ひと吹きすると、美しいボトルのイメージそのままの、すっきりと透明感のある香りが広がる。

付けてすぐは柑橘系のフレッシュな香りが優しく弾けて、フレッシュ感が落ち着いたあとは、甘やかに変化していく。でも、甘ったるさはなくて、すっきりと心地いい香り。仕事をするときに手首に付けると、パソコンを打つ手元からほんのり香ってきて、とても気分がいい。おかげで、多忙な日々をパンクすることなく乗り越えられた。

香水って、ちょっと特別なおでかけとか、いわゆる“ハレの日”に付けるようなイメージだったから、無意識のうちに普段づかいには向かない華やかな香りを選んでしまっていたのかも。でも、特別なおでかけなんてそうそうないから、結局付けなくなってしまっていたんだ、と気づいた。

「アクアユニヴェルサリス」は、個性的な香りを求める人には物足りないかもしれないけれど、甘すぎたり華やかすぎたりする香りが苦手な私には、しっくりくる香水だった。

特別なハレの日じゃなくても、香りで日常にちょっとした彩りを加えて、日々の暮らしを心地よくしていきたい。

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