効率悪くて楽しい

ある原稿を書くために、歴史の学び直しをしようと思い、『日本の歴史』の漫画を読んでいる。
学び直しと言っても、学生の頃は歴史=暗記科目という印象で苦手だったので、ほぼ初めて学ぶくらいの勢いで、知らないことだらけだった。

漫画を読みながら、手持ちの資料にメモを書き込む。なんだか学生時代の勉強みたいで面白い。大人になってからの、自分が興味のある分野の勉強は楽しい。

今やっと最終巻で、大正デモクラシーあたり。ずっと読み続けていて疲れたので、気晴らしに文章でも書くか、とパソコンを立ち上げ、これを書いている。

冒頭で「原稿を書くために」と書いたが、該当の原稿は正直、そんなことをしなくても書けるっちゃ書ける内容だ。
テーマに関する本を何冊か読み、過去に足を運んだ場所の情報を加えれば書ける。何の問題もない、それなりの原稿になると思う。でも、それなりの原稿にしかならないだろうなぁ、とも思う。

テーマに関する本についても、当初予定していたもの以上に、めちゃくちゃ読みまくっている。本当はこんなに読まなくてもいい。いいんだけど、一冊読むと気になることが増えてまた別のものを読む、という感じ。

それらをやったところで原稿の質が上がるかと言ったら、そうとも限らない。本を読んだ私or読まない私が書いた原稿は、多分ちょっとは違うものになるだろうけれど、読んだ人からしたらわからないくらいの違いだと思う。

歴史漫画や本から仕入れた知識を、全部原稿に詰め込むわけではない。伝えたいものが一番目立つように取捨選択をするから、「仕入れたものの使わない情報」もたくさんある。
(余談だけど、何を書くかよりも、書かないことを決めるのが難しいところだよなぁと、原稿を書く時は常々思う)

何となく、「これやったほうがいいんだろうなぁ」と思ったまま、「でも面倒臭いし、サクッと書いちゃえばいいか」という対応をするのが気持ち悪いからやっているけど、効率悪いやり方なんだろうな。

必要不可欠な情報だけをインプットして書くのが効率はいいし、仕事として考えたら効率の良さを考えるのは大事なことなんだろう。そして原稿の種類によっては、そういうやり方で書けるものもあるんだけど、効率をすっ飛ばして「こういうのを書きたい!」と思うようなものを書くのって楽しいんだよな……。稼げないけど。笑

効率はすっ飛ばしていいけど締切はすっ飛ばしてはだめなので、本を読むのもいいけどそろそろ原稿に向きあわねば。