「ほぼ毎日」で細く長く続ける

昨年の4月ごろから、ほぼ毎日家でヨガをしている。

これまでの人生で、部活は文化部、体育の授業もサボり気味で運動とは無縁の生活を送ってきたが、緊急事態が発令されて外出が減り、体力がめちゃくちゃ低下したのに危機感を覚えたのがきっかけで始めた。

筋トレガチ勢な方々からしたらきっと生ぬるすぎるくらいの、ストレッチに近いようなものを2〜30分やる程度なんだけど、おそらく母のお腹に運動神経を忘れてきたであろう私からしたら、これはちょっとした快挙だ。

「ほぼ」毎日なので、やらない時もある。体調が良くない時や、気分が乗らない時。
1日、2日開くくらいなら問題はないが、4〜5日サボると、体に違和感を感じる。肩がこる、背中や腰が痛い、頭が重い。

まずい、と思って再開すると、最初は体が動かない。以前は軽々とできていたポーズも、体がミシミシと軋むような感覚になる。
1週間ほど続けると、関節がなめらかに動き、足の指にもきちんと力が入るようになり、またスムーズに一連のメニューをこなせるようになる。

運動の習慣がある人からしたら当たり前のことなのかもしれないけれど、「できるときにまとめてやるのではなくて、少しずつでも毎日動くのが大事なんだな」と感じた。

文章を書くことは多分運動と似ていて、毎日少しずつでも書き続けていると、それなりに負荷がかかるものを書く時にも、そんなにしんどくなく書ける。

しばらく書かないでいると、書くときに引っかかるような感じがある。1週間さぼったあとに再開したヨガで腕を回す動きをしたら関節がなめらかに動かない、その時の感覚と似ている。

何かを書く時には、必要な情報を頭の中に入れた後、頭の中で構成を練ってから実際に「書く」のだけど、実作業としての「書く」は身体的な要素がけっこうあるよな、と思う。

毎日書くといっても、書くのはそんなに大層なものでなくてよくて、日々のできごとやふと考えたことなどを、短く書く程度でも。
しっかりと構成を立てて書くような、消費カロリーが高めなものを毎日書ける人もいるんだろうけど、私はそんなにエネルギッシュなほうではないので、無理はせずさらっと。

「絶対に毎日書く」と決めてはいない。面倒だったり、気分が乗らなかったりして、書かない日もある。

毎日やる、と決めるのは苦手だ。できなかった日の罪悪感がものすごくて、「決めたことをやりきれない、自分はだめな人間だ」とか思ってしまうから。

「毎日必ず書くこと」が目的ではなくて、キーボードを打つ指先がなめらかに動くように調子を整えておくのが目的なので、その点においては、数日書かなくても問題はない。だから「ほぼ毎日」でいい。

文章に限らず、始めるのは簡単だけど、続けるのはなかなか難しい。
好きなことであっても長く続けていればずっと楽しいことばかりではないし、ずっとモチベーション高く向き合えるとも限らない。

たとえば文章を書くことにおいて、昨日できなかったことが今日急に出来るようになった! みたいな劇的な変化を感じられることは、あまりない。というかほぼない。
目に見えないくらい薄い層を、毎日少しずつ積み重ねているような感覚だ。日々大きな変化はないから、「これ、意味あるの?」と不安になることもある。
でもたまに、書き続けている中でふと、「前よりも赤入れされなくなったかも」「構成に悩まなくなった」など、変化を感じる瞬間が出てくる。その繰り返し。

続けなければ何にも繋がらない。逆に続けさえすれば何とかなる、みたいな場合も往々にしてある。だって、やめる人のほうが圧倒的に多いはずだから。

長く続けるために私がやっているのが、前述の「ほぼ毎日」作戦。絶対に毎日やる! とは決めない。細く長く。
たまには無理をすることもあるけど、ずっと100%はしんどい。長く続けたいのなら、なおさら。

「続けるためのコツ」はきっと人によって違うから、「毎日絶対にやる!」と決めたほうがいい人もいると思う。
自分に合ったやり方で、積み重ねていきたい。