「悪気はないけど毒」なアドバイスは笑顔でスルー

一見無理そうなことにチャレンジしようとしているとき、「無理だよ」とか「厳しいんじゃない?」と言ってくる人がいるけれど、だいたいは悪気がない。いや、世の中には悪気ありまくりでそういうことを言う人もいるのかもしれないけど、少なくとも私の周囲には悪意を持ってそういうことを言ってくる人はいない。自分の経験を元に、見聞きした情報を元に、アドバイスをしてくれているのだ。

とてもありがたい。ありがたいけれど、相手がどんなに仲の良い友人でも、お世話になった元会社の上司だったりしても、そのアドバイスを聞き入れるかどうかはまた別の話で。相手は、相手の価値観の中で物を言っているけど、それが自分にとって正しいアドバイスとは限らない。

「無理かも」と、自分が一番思っていた。ライターになろう、と思って30過ぎで会社員を辞めた時、某メディアに面談に行った先で「ライター経験もなく、いきなりフリーランスで始めるのは、厳しいと思いますよ」と言われたことがある。まぁ、一般的には厳しいって思われるんだろうな……とへこんだ。ライターに限らず、30過ぎで新しいことを始めようとするとだいたい「その年からじゃ……」的な目で見られがち。でも残念ながら若返ることはできないし、必要とされる「経験」も今から獲得するしかないから、とにかくやるしかないんだよなぁ、と。
ちなみに、その某メディアで書くことはなかったけれど、その後別メディアに拾っていただけたり、営業かけたりしつつで、一応ライターを続けられております。なんとかなった。

なんとかなったのは、「なんとかなるよ」と言ってくれる人が周りにいたからだ。そしてその言葉を聞いて、「大丈夫、なんとかなるだろう」と思えたからだ。どちらか一方でも欠けていたら、ダメになっていたと思う。

すごく意志が強い人なら、無理だよ、厳しいよ……と周りに言われ続けても、突き進めるかもしれない。でも私はどちらかというと、自分に自信がないほうなので、ムリダヨ〜キビシイヨ〜〜〜と言われたらそっちの考えに染まってしまいがち。(たまーに「いや、なんとかなるっしょ!」みたいな無双状態になることもあるけど)

だから、「相手に悪気はないけど、今の自分にとっては毒になるアドバイス」は、なるべく耳に入れないようにしている。アドバイスしてくれるのはありがたいけど、「せっかくアドバイスしてくれているんだから、聞き入れないと」と思う必要はない。
だからといって「うるせぇ!」と突っぱねるのは違うよな、とも思う。だって、今私はフリーランスだけど、もし自分が会社員で同僚が「フリーランスになろうと思ってる」って言ってたら、「え、大丈夫? 大変なんじゃないの?」って思うだろうし。

ムキになって言い返す必要もなければ、落ち込むこともない。うんうんそう思うよね〜わかる〜〜、と心の中でつぶやきつつ、笑顔でスルー。これが一番良い気がしている。