悪いのは誰だ?

FAXで取材依頼をしたお店から、取材承諾の返事をいただいた。何時ごろならご迷惑ではないですか? と聞いたところ、「夕方くらいなら。お昼はお客さんが多いから。と言っても、最近はそんなに多くもないんだけど」と困り声で言われた。そこは、小さな喫茶店。有名なお店ではあるけれど、大きな企業が運営しているようなお店ではない。

昨日のニュースで、アメリカで17日から飲食店での食事提供が禁止されることになった、と報じられていた。16日の夜、アメリカのとある店で、常連さんとハグの代わりに肘を付き合わせながら、笑顔で「じゃあまた!」と挨拶していた日本人オーナーは、「もう何軒か、潰れた店はある。うちもどうなるかわからない」と言いながら、黙々と店仕舞いの支度をしていた。

ファミレスでの仕事中、放置していた積立投資信託のことをふと思い出し、マイページにログインしてみたら、がっつりマイナスになっていた。日経平均は、3年4カ月ぶりに1万7000円を割ったそうだ。経済には詳しくないものの、「2万円を割ったらやばい」というイメージがある。1万7000円て、めちゃくちゃやばいのでは? しかも、収束が見えない。

ファミレスの隣の席の人が、ゲホゲホと咳をしていた。普段なら気にならないのに、なんだか怖かった。具合が悪いなら家にいて欲しいと、苛立ちすら覚えた。頭痛がするので、気圧チェックのアプリを確認するも、特段低気圧というわけでもなかった。帰宅後、恐る恐る熱を測ったが平熱。いつもの偏頭痛か、とほっとしながら鎮痛剤を飲んだ。

目に見えないものに、怯えたり悲しんだり苛立ったりしながら、「でも、何もできないんだよなぁ」と、虚しくなる。この状況を打開するような何かができる人のほうが、少ないのかもしれないけど。

虚しさを抱えながらも、私は私のやるべきことを、淡々と続けていく。